(9月21日まで サントリー美術館)
江戸時代、形がシンプルな小袖は、上層階級の女性や呉服商が
その意匠を競い合ったそうです。
自然や和歌、風景をモチーフに独創的な表現は自由で、緻密で、
圧倒的でした。
こちらのコレクション(小袖の他、能装束、調度品、雛形本約300点)は
松坂屋京都染織参考館の収集品で、通常は非公開の秘蔵品ばかり。
作品の由来、技法についての説明文を読み進むだけでも感心してしまいますが、
私が気になってしまうのは、そこには書かれていない、注文主のこと。
どんな季節に、どのような場で、この小袖を纏っていたのだろう。
柄や意匠がそれぞれ独特で、かわいらしい柄が好みだったのかな、とか、
誰に見せたかったのだろう?と余計なことを考えてしまうのでした。