2017/12/31

今年も ありがとうございました。

大晦日。
先週は、SNSの方で 年間の人気柄手ぬぐいを発表したり、一年を振り返っていたのですが、まだなんとなく、きちんと総括をできないでいます。

若い友人たちや、可愛がっていた小鳥を亡くすなど、辛いお別れが多い年でした。体調を崩すことも多く…、悲しみはダメージが大きいですね。

先日、その友人の一人(イカラシチエ子さん)を偲ぶため、Roonee247 fine arts さんへ。彼女を被写体とした写真アルバムを見せていただいたり、ドアノブに(自身の作品展の時に使った生地を)縫い付けたものを改めて見てきました。一緒にやろうね、と進めてきたイベント準備は、永遠に準備中になってしまったけれど、チエ子さんから投げかけられたことを、大切にしていきたいと思いました。




今年も、たくさんのイベントにお声がけいただき、各地で展示販売を行うことができました。お越しくださった皆さま、ほんとうにありがとうございました。作り手として、使ってくださる方とお会いしたり、お話しすることはとても刺激になります。学ぶこと、気づくことが多く、楽しいこと、反省することが多々あります。

それらを 活かしきれていない部分も、また反省なのですが、お客様や、お店の方々、染めに関わる皆さまに支えられて、今年もなんとか 終えることができそうです。素敵な方々に囲まれて、あひろ屋は幸せな人生を歩んできたとしみじみと感じます。




今年は、新しい植物染めに挑戦してきました。
注染手ぬぐいの上から、柿渋や墨で染めたもの。手探りで、染めながらデータを集め、使いながら、また染めを工夫して…という状態ですが、来年も引き続き、染めを深めていきたいと思っています。


…新しい柄も、また描いていきたいです。気持ちが沈んでいると、なかなかそういうパワーが出てきませんが、来年は展示会と連動した新作を数作描くことになっていて、それも楽しみです。よりよい仕事ができるよう、体調のこまめなメンテナンスと、心持ちと。





毎年恒例、おせち料理作り。夕方までには仕上げて、届けに行く予定です。楽しみにしてくれている家族のため、今年も張り切っています。(黒豆、焼き穴子の昆布巻き、お重を飾る紅梅。)


今年も一年、ほんとうにありがとうございました。
皆さま、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。



2017/12/22

2018年の催事も、少しずつ動き出しています。


一陽来復。
大きな柚子と、あずき茶で冬至を過ごします。


…昨日は、お正月から春を意識した手ぬぐいが入荷いたしました。
「南天(えんじ色)」、「槍梅(ねずみ色)」、「蒲公英(うこん色)」
いずれも、久しぶりの入荷で、お店の方々からは ”待ってました!” とご注文をいただき、いよいよ春シーズンに入ってきたことを感じました。日脚がのびていくことや、春を思うことが、こうして嬉しいなんて。若い時にはわからなかったことです。





今年も、各地のたくさんのイベントにお声がけくださり、ありがとうございました。とても勉強になり、楽しかったです。
来年の参加予定のイベントや販売について「イベント」のページに少しずつ載せております。お近くの皆さま、ぜひお立ち寄りくださいませ。(詳細が決まり次第、サイトやSNSでお知らせしてまいります。)



来月は、福岡の望雲さんでひらかれる「イッテンモノ テン」に参加いたします。
豪華なメンバーに含めていただき、恐縮です…。がんばります。



2017/12/19

「パサール・クマンマン」展、終了。

12月16日、17日の週末、阿佐ヶ谷の「CONTEXT-S」さんでの パサール・クマンマンにお越しくださった皆さま、お気にかけてくださった皆さま、ありがとうございました。無事に終了いたしました。空気は冷えていましたが、お天気に恵まれ、今回も大勢の方にご来場いただけました。









今年、5周年を迎えたクマンマンは、バリ島ウブドにお店があり、そしてフランスのパリでも活動中ですが(今回、同時期にパリのギャラリー「エスパスMA」でも展示会を開催、こちらは金曜日まで会期が延長になっているそうです。当店手ぬぐい生地を使ったベビーエプロンや手ぬぐいも並べていただいております)、国内では定期的に展示会をひらいています。私は初回の展示会からお客さんとして通っていましたが、いつの間にか、出展側として参加させていただき、今に至ります。会場や開催時期が変わったり、参加メンバーも入れ替わりがありますが、いつも賑わい、皆さまにお買い物を楽しんでいただけて、本当にありがたいことと思っております。

展示会で扱っている商品は、回を重ねるごとに、地域や年代、ジャンルが広がってきていますが、良質なものであること、作り手の顔が見えるもの、思いが込められているもの、という基準は揺らいでいない、と思います。今回も様々なものが並び、多くの方がお手にとってくださいました。
これからも、他ではちょっと見かけないような素敵なものを、心地よい空間と時間を、何か心に残るようなイベントを、ひらいてゆけたら、と思っております。

次回のパサール・クマンマンは、同じ場所で2018年4月27日〜29日の3日間の予定です。
また皆さまにお目にかかれますことを楽しみに、お待ちしております。
(今年のあひろ屋の出展イベントは全て終了いたしました。今年もありがとうございました!)




国立の大学通りにて。イチョウ葉の布団をかぶり、温かそうなビオラたち。




そして、オンラインストアには、「注染+バリ島植物染め」手ぬぐいを追加しております。ご覧くださいませ。



2017/12/11

咲き定まりて

 この週末は いよいよ「パサール・クマンマン」です。
この数年、あひろ屋も定期的に参加させていただいている素敵なイベントですが、今回も世界から 様々な品が届いているようです。オリジナルの生活着、美味しいもの、暮らしまわりの道具、ジュエリー…。今回は絵本ライブや、毎回クマンマンのDMなどを手がけてくださっているデザインチームも出展されるそう。楽しみです。

あひろ屋は、注染手ぬぐいと はぎれセット、植物染め手ぬぐいなどを販売いたします。はぎれの店頭販売は、来年の5月まで予定がないので…この機会にどうぞ!

「Noël à Kumangmang 〜クマンマンのクリスマス!〜」 
2017.12.16(土)11:00 - 18:00         12.17(日)11:00 - 17:00
会場:CONTEXT-S 東京都杉並区阿佐谷南1-47-4


 ・諸屋(バリのお塩、お茶、保存食諸々)・Granja São Paulo(ジャングルに自生するスパイス&ハーブ)・スマイルブック(男性3人による絵本ライブ)・あひろ屋(注染手ぬぐい・植物染め)・yamayama design(オリジナルのポストカードと切手)・Pasar Kumangmang(世界の布を使った日常着、オーガニックスキンケア、バリ・ジュエリー などなど)


 Kumangmang サイト http://kumangmang.mond.jp






 … 文筆家の清野恵里子さん。
憧れのひとであり、長くお付き合いのある方であり(出会いは私が8歳の時なので)、親戚のおばさまのようでもあり、一言では うまくご紹介はできないものの、大変お世話になっている、それは素敵な方です。

きものや工藝にまつわる本など、多くの作品を発表されていますが、先週、「咲き定まりて - 市川雷蔵を旅する」(集英社)がついに発売になりました。この数年、ずっと取り組まれていたので… 重みのある本を手にし、私まで晴れやかな気持ちになっています。

まず、目を奪われるのは鈴木成一さんの装丁の美しさです。木下利玄の歌、速水御舟の墨牡丹…。(恵里子さんの本作りは、いつも すばらしいチームが組まれていて、内容はもちろん、隅々にまで美意識が光りますね。)

そして、時代を追いながら、雷蔵さんの作品を丁寧に、深く、読み解いていく恵里子さんの言葉の力に引き込まれていきます。
読み終えると、たまらなく雷蔵さんの映画を観たくなりますね。





牡丹花は咲き定まりて静かなり花の占めたる位置のたしかさ
                  木下利玄





2017/12/06

柿渋と墨染め。

晴れた日の朝は、窓から富士山の真っ白な上部がよく見えます。冷えているなぁ、と思ったら、明日は二十四節気の大雪。
今年も残りがわずかになってきて、さまざまなことを振り返りつつ過ごしています。


さて、手ぬぐいの「あづま袋」に、柿渋で染めたものを追加しております。春に染めた生地をしまっておいたところ(光が当たらない箱の中でしたが)色が変化していて面白くなり、日光発色なので、陽にまんべんなく当てて、さらに色合いを濃くしました。
その生地で作った「あづま袋」ですが、長さが90cmの手ぬぐいだったので、少し袋の形が いびつです。(モノを入れることはできます。)今後は、やはり 100cmの手ぬぐいで作ろうかな、と思いますが、それはともかく、柿渋が面白くて、今後もいろいろと染めていく予定です。





最近の新商品は、もう一つ。これも少し前から試作を続けていたものです。
「注染+墨染め 手ぬぐい」
墨を大豆汁で布に定着させています。始めの頃は、気楽に台所で染めていたので、見た目には気づかないものの、拭いてみると あちらこちらに煤が付着、自分の鼻の中も真っ黒になっていて驚きました。
いまだに煤の扱いは大変ですが、その染め色が素敵で、すっかりハマってしまいました。青紫色がかった灰色で、品があり、うまく染まった時には本当に嬉しくなります。

なんとなくは染め方が掴めていたものの、試行錯誤の中で、染めに失敗することもありました。ようやく販売できるレベルになってきたかな、と思えたのが先月。そして、数日前にオンラインストアで販売を開始いたしました。あっという間に、初回販売分はほとんど売れてしまい、本当にありがたいと思いました。

時間を置きながら染めと乾燥を繰り返し、最後は蒸して定着させているので、時間と手間がかかります。一度にたくさんは染められないけれど、今後も継続して販売、そして来年は植物染めの手ぬぐいとしては初めて、卸販売もできれば、と考えております。お店の皆さまから、長年リクエストをいただいていたこと… 一つ実現できるかもしれません。

(…と思っていたのですが、やはり いろいろなことが難しく、販売を終了致しました。)








…このお針箱は、中学生の頃から使っているものですが、私はずっと祖母のものだったと思っていました。


母に尋ねてみたところ、祖母ではなくて、もともとは曾祖母のキクエさんのものだったとか。(小菊の柄は、名前にちなんでいるのかも。)時代は明治後期くらいなのかな。私で4代目…これからも大切に使っていこうと思います。



「春の手ぬぐい展」終了。インド茜染めは媒染違いの2種類を販売中です。

   KoHoさんでひらかれていた「春の手ぬぐい展」は昨日、会期を終えました。 多くの方にご覧いただけて嬉しかったです。 植物と手ぬぐい。 個人的にも心躍る組み合わせなのですが、揺れる手ぬぐいの軒下に、柄のモチーフになった植物の苗が並んでいる光景はすてきでした。 KoHoさんでい...