最近、天然醗酵建ての藍染めに取り組んでおります。
薬品などを使わずに、醗酵の作用で藍を染められる状態にする、というのは、なかなかハードルが高いもの。しかし、いつかは自分で…と長年思っていたことが、3度目の挑戦でうまくいき、本当に嬉しいです。
染められる状態にすることを「藍を建てる」と言いますが、建ててからも、その状態を維持する日々のお世話や、ムラなく染めることなどが難しく、試行錯誤を続けています。
藍甕(大きなバケツですが)の水面状態は刻々と変わっていて、朝起きたらまず 様子を見にいきます。元気がなくシーンとしていたり、泡が青く盛り上がっていたり、ギラギラと輝く紫色の膜が張っていたり。その様子を見て、灰汁や貝灰を足したり、かき混ぜたり、休ませたりしています。
なんだか遊んでいるようですが、来年の二つの展示会に向けての準備でもあります。今から取り組めば、きっと私の腕も上がり、季節ごとの藍との付き合い方もわかるのではないか、と思い、先月から準備を始めました。寒い季節には、藍は眠ってしまうと思いますが… 保温をしつつ染められたらいいな、と思ったり、とにかく水仕事なので、やはり冬は難しいかな、と思ったり。
酸化してゆく過程で、だんだんと青くなっていく手ぬぐいを見た時は、じーんとしました。10年近く、いろいろと試し、各地の染色家さんに染めていただき、文献を読みあさり、いつかは…、と思っていたことがついに実現しました。