先月から植物染めの発売が続いていますが、また春から秋はそれどころではなくなってしまうので、今のうちのお楽しみ、のような気持ちです。もう一度リベンジしたいもの、新しく染めてみたいものなど、いろいろとありますが… 他の仕事もあるのでほどほどに。
先日は初めて檳榔子(ビンロウジ、檳榔の堅果)で染めた手ぬぐいを発売いたしました。2日がかりで染液を抽出、豆汁処理をした生地に何度も染め重ねましたが、淡いピンクベージュのような色合いでした。インパクトは弱いと思いつつも、その優しい色は顔映りもよく、可愛らしさがあるので、お好きな方がいらっしゃるかもしれない、と販売をスタートすると、わりと人気があり驚きました。もう少し濃く染められないか、濃度、温度、媒染を調整したりして、粘ってみようと思います。
檳榔子で染めたあと、そういえば…と思い出したのは、以前いただいた本。
「日本の草木染」上村六郎 著 / 京都書院 刊
昭和40年刊行なので60年も前の本ですが、染め布が貼り付けてあるものもあります。1000部限定品だったようです。(実物の布地ではない印刷のものは多く販売されていて、私も以前持っておりました)
檳榔子のページには、鉄媒染と石灰媒染の布地が貼ってありました。時間が経っていても、いい色合いのまま。檳榔のイラストが、いい感じですね。
入荷が不安定な状況が続いていたこともあり、在庫がある時にコツコツ仕入れよう…というお取引先様が少しずつ増えていて、ありがたく思います。
手間のかかる手仕事の世界も大きく変わりつつあり、納期だけでなく、そのモノ自体もいつまで作れるのか、見通せないことばかりですが、受け継いできたことをなるべくその先へ…と考えています。
秋にいただいたサフランが開花しました!ありがたいメシベ。(乾燥させて保存)
たぶん10年ほど育てているサフランは、栄養不足なのか毎年葉っぱのみです。来年こそは咲かせたいです。今日はベランダの観葉植物たちをすべて室内へ。3日後は2℃まで下がる予報なので慌てました。あれほど暑かったのに、もう冬ですね。



